21世紀のエウロパ・シリーズこと、TSWW(The Second World War)の新作「Madagascar」が到着。新作とは言っても、すでに2013年にジップロック版として発売され、今回は「Revised Edition」として、薄手のボックス入りで再版された。
第二次世界大戦中のフランス領マダガスカル島は、本国フランスがドイツに占領されたため、親独のヴィシー・フランス領となった。そして三国同盟を組んでいた日本海軍がマダガスカル島を根拠地とすべく部隊を送り込もうとしたため、先手を打って1942年5月にイギリス軍部隊が上陸(アイアンクラッド作戦)、半年後に島を占領している。
本作は、イギリス軍vsヴィシー・フランス軍の戦いに加え、もし日本海軍部隊が島に接近してイギリス海軍部隊と戦闘に及んでいたら?という仮想戦も含めたセットになっている。基本的にTSWWはどれも規模が大きく、またルールもややこしいので、システムの練習用として制作されたらしい。たしかにこの戦いなら、規模こそ小さいものの陸海空の統合作戦であり、ヴィシー・フランス側のパルチザン戦も含んでいるので、一通りのルールは使うことになるかと思う。
ゲームスケールは他のTSWW作品同様、1ヘクス=24km。本作では、マップ4枚でマダガスカル島全島がカバーされている。もうちょっと切り方を工夫すれば2枚に収まるんじゃないかとも思うが、周辺海域での海空戦も想定されているので、これぐらい余裕があった方が良いのだろう。
こちらは艦隊移動などを記録する拡大マップ。アフリカ大陸南部も描かれているが、さすがにあそこは使わないよな……
カウンターシートは1枚のみ。大半はイギリス軍ユニットばかりで、ヴィシー・フランス軍はほんちょっと。むしろ日本軍の方が多い。そう考えると、実は仮想・日英機動部隊決戦というシチュエーションが一番派手だし、面白そうだ。
登場する日本軍艦艇は、空母隼鷹、軽空母龍驤、戦艦扶桑、山城、重巡愛宕、足柄あたり。また史実で、イギリス戦艦ラミリーズに魚雷を命中させた特殊潜航艇もユニット化されている。対するイギリス海軍は、空母イラストリアス、戦艦レソリューション、日本が介入した場合はさらに空母フォーミダブル、戦艦ロイヤル・ソヴェリン、リヴェンジ等が登場することになる。
まあ、たしかにTSWW入門用セットにはなっているので、誰かにTSWWシステムを伝える際には良いキットなのかもしれない。