新刊「検証 空母戦 日米英海軍の空母運用構想の発展と戦闘記録」を購入。ものものしいタイトル通り、第二次大戦中の空母機動部隊の運用についてまとめた一冊で、当時の空母や艦載機、また防空システムはどのように機能していたのか、また大戦期という短いスパンでそれがどのように進化したのか、について触れられている。こういった事実やシステムを知っておくと、空母戦ゲームで表現されているあれこれが何なのか理解できるだろうし、そういう意味では空母戦ゲームの参考書にもなり得るが、ここまで詳細なシステムの差異を表現したゲームも少ないかもしれない。ただ単に艦艇ユニットを集めて機動部隊スタックにするだけでは、各国別の差異も出せないし。
とは言え自分の場合、空母戦ゲームの経験値は非常に少ないし、近年のタイトルもほとんど触れていないので、今現在なら本書の知識が活かせる空母戦ゲームもあるのかも。自分の場合、古典的な「FLAT TOP」「日本機動部隊」、ツクダの「航空母艦」「ミッドウェー海戦」「南太平洋海戦」あたりは購入したものの、ほとんどプレイしないまま手放してしまった。そう、空母戦には憧れがあるものの、ゲームとなると、お互いの戦力を秘匿して動かすシステムが多く、全般的にプレイするハードルが高い印象があるので……
そのくせ自分の場合、TSWWの空母戦シナリオはプレイしたことがあるという妙な経験値もあったりする。本書でも「戦闘機の誘導指揮」による迎撃システムについて触れられているが、TSWWでも、イギリス軍は1942年から、アメリカ軍は1943年3月から地上管制迎撃(GCI)能力を獲得し、短距離迎撃を行う戦闘機の空戦力が2倍になるという恐ろしいルールが適用されるので、そういう意味では、本書で触れられている空母運用の差異が表現できているゲームシステムかなと思う。とは言え、TSWWの、42年、43年以降の空母戦シナリオはまだ未経験なので、それもいずれ体験してみたいとは思う。